子とまた旅に行きたい
できればキャンプがいい
あわよくば山がいい
自分の好きなことを子どもも好きになってくれたら嬉しい
子どもとたくさん遊びたいし自分のやりたいことも諦められない
子育て中のパパの備忘録
2025のGW、熊野古道の小辺路を歩きました。ただただ旅のお話。
深い山々に抱かれながら、小辺路を歩いてきました。静かな時間の中、歩む意味を改めて問い直すような旅でした。
「なぜ、自分は山に登るのか?」なんてね
そんな問いを胸に、ひたすらに足を前へと運んむ旅の中。終始笑顔で歩けたのは成長を物語っていたように思います。
小辺路は、去年歩いた中辺路とはまったく異なる表情を持っていました。観光の華やかさはないけれど、静けさと厳しさが共存する道。まさに修験の道。たっぷり歩けて満足度も高かったです。
1日目
高野山の駐車場に着いたのは7時ごろ。車のドアを開けた瞬間に、全身がしっとりと濡れる。レインウェアを着込んでも不快感は避けられず、正直、心も体もテンションは低空飛行。でも、そんな始まりも、旅の一部。
雨は一向に止む気配もなく、静かに小辺路の一歩目を踏み出した。トレランシューズは濡れるのが前提。それでも、足先が冷えていく感覚にうんざり。そんな中折りたたみ傘は救世。頭上からも、背中のリュックにも降り注ぐ雨を和らげてくれる旅の名脇役。
水場がない大股までの道のりは、自分の背中で担ぐしかなかった。それでも、その先には小さな恵みが点在していて、少しずつ不安が安心に変わっていく。萱小屋では設備や飲料水システムの工夫に心が温まり、もうひと踏ん張りして伯母子岳の避難小屋へ。空いたスペースを分けてもらえたことに心から感謝。
ただ…夜は凍えるような寒さ。寝袋選びを軽く考えすぎた。疲れて眠りに入る中、寒さで体を丸めながら反省が頭をよぎった。
2日目
朝4時。空が白みはじめる頃に行動開始。昨日とは打って変わって、空は晴れ、空気は澄んでいた。濡れていたシューズも歩くうちに乾いていく。体も軽く、気持ちまで浮き立つ。
コース上の水場や自販機に助けられ、順調に歩を進める…はずだった。十津川温泉までの最後の9km、アスファルトの道が体に堪えた。足の指には水ぶくれ。痛みと疲れがじわじわと押し寄せる。それでも、ただ前を見て足を出す。それだけだった。
この日は民宿に。心から安らげる時間を過ごした。温泉に浸かり、ご飯を頬張り、布団にくるまってようやく力が戻ってくる。テントも担いでいたけど使わずに済んで良かった。
3日目
旅の最終日。夏を思わせるような強い日差し。でも、しっかり朝食を摂り、体の芯からエネルギーを満たして7時半ごろ出発。昼食用のおにぎりが沁みる。
体力の消耗は隠せず、ペースは落ちたけれど、それもまた旅。水場は点在していて、道もよく整備されている。中辺路との合流地点を越えたとき、ゴールはもうすぐそこ。
最後は走った。仲間と顔を見合わせ、自然とテンションが上がる。熊野本宮に着いたとき心は晴れやかだった。
また一つ、特別な道を歩ききった。景色や足の痛みだけじゃなく、心の奥に小さな火を灯すような旅だった。次に歩く道がどこであっても、この経験が背中を押してくれる気がしている。
次はどこ行こう?